フタモンカタコハナバチ                      Lasioglossum scitulum (Smith, 1873)

[発生期]

春~秋に出現。年2化性で、基本的には単独性。

西南日本において、越冬世代が4月下旬~7月上旬、第1世代が7月上旬~8月下旬。第1世代の子孫である雌雄は、9月に出現し、受精した♀が母巣内で越冬する。

 

[寄主・訪花植物]

広食性のため、さまざまな花資源を利用する。 

 

[生息環境]

平地~山地。主に平地。

 

[営巣習性]

地中に営巣し、ときに集団で営巣する。巣の構造はIa型。

 

[天敵・寄生者など]

成虫はナミツチスガリに狩られた例がある。ダルマメバエやツチハンミョウの一種に寄生される。

 

[その他]

複メス巣が形成されることもある。母娘共存と姉妹共存の2パターンが生じると報告されている。

 

[参考文献]

  1. 前田泰生・吉田亮・宮永龍一 (2001) フタモンカタコハナバチの生態及び社会性に関する若干の知見. 中国昆虫, (14): 11-19. 
  2. Miyanaga R., Maeta Y. & Hoshikawa K. (2000) Nesting biology and occurrence of social nests in a bivoltine and basically solitary halictine bee, Lasioglossum (Lasioglossum) scitulum Smith (Hymenoptera: Halictidae). Entomological Science, 3 (2): 291-302.
  3. 宮永龍一・前田泰生・北村憲ニ (2002) 単独性コハナバチにおける”社会性”の出現 フタモンカタコハナバチの生活史と社会. ハチとアリの自然史-本能の進化学-(杉浦直人・伊藤文紀・前田泰生 編著): 120-134, 北海道大学図書刊行会. 
  4. Sakagami S. F. & Michener C. D. (1962) The nest architecture of the sweat bees. A comparative study of behavior. The University of Kansas Press, Lawrence. 135 pp.